QC活動について

「QC活動が形骸化している」という指摘を目にしました、具体的には「自己目的化し、数字のための数字づくりと化している」という事です。申し訳ありませんが、当ブログは大っぴらにやる意志がないので、linkを張りませんけれども、とりあえず所感だけ記入するという事で。
それなりに形骸化しています。はっきりと言えば、やらないよりもやった方が良いという具合ですし、現場から出る知恵というのも胡散臭いものがあります。
例えば、品質、効率を追求したとしても安全が犠牲になっているcaseもあります。というか、僕の現場に近い処の別部門でQC活動の中から出た知恵があるのですが、社員の方とあれは危ないよなあと話し合っていましたから。それなのに放置していた、口出しをしなかった理由としては、運用が上手く行っているからです。その提案者が上手く遣り繰りしていたという事になるのですが、もし何かちょっとした事故でもあれば、すぐに元通りに戻したでしょう。
それでは何故そのようなものでもやらざるを得ないかと言われれば、そもそもラインは作動してみなければ分からない面も大きい。当初の設計通りにラインが機能するとは限りません。それに例えば一台辺りのタクト・タイムが変更されて、一日辺りの設計台数が変更されれば、ラインに関わる人数が減らされるので、人の動きがかなり変わります。なかなか、思い通りに動いてくれるものではないのですね。
それを人の動きに関しては、そもそも合議的にやっている訳ではなくて、・・・名前が出てこない(笑)、ラインから外れてラインを監督している人達が決めています。そういう人達に直接におかしい、と言えない可能性もあります。そういう場合に、おかしい、と言えるだけの場と時間を設けるぐらいに考えておいた方が良いと思います。ですから、確かに形骸化しているし、下手をすれば自己目的化するだけなのですが、無いよりは在った方が良いぐらいです。
難しい処なのですが、QC活動は残業代がでないのです。昼夜二交替で常時行なわれているという事は無くて、夜の時間帯だけ纏まった時間が確保できるから夜に行なうのですがラインが止まった後だから、軽くAM1:00やAM2:00を超えてからQC活動が始まる事が当然なのです。そこから自分達の意志で自発的に行なうというのは、あまり考えられない。「いきいきサークル活動」と名称さえ変わっています。当初は気付きませんでした(苦笑)。
ただこういう場合に頑張れば、期間社員の人は準社員になれる可能性もあります。やる気や頑張り具合を見られる訳で、そういう点で自己目的化するというcaseは考えられます。また社員にしてもラインを運用する実践的な知識は習得したとしても、経営学的な意味で、特に勤務先の会社に関する、普遍的な知識を習得するとは、なかなか考えにくい。ある意味で社員の中でも職務順になっている面もありますから、自らが地位を望むのであればやはり学ばなければならない。逆に考えればこれが無ければ、勤務先の会社の中での会話が通じなくなる。共通用語を擬制していくという事は十分に考えられるやり方です。そのような中で自己目的化するという事は考えられます。
ただ、こう考えればdemeritはあるけれどもやった方が望ましいという経営上の判断がある事は当然の事だと思います。但し、残業代を出さないから、という点もあります(苦笑)。そもそも目的というよりもやる意義を見出してもらうという事が正確なのだと思います。つまり、企業の内部労働市場の競争だけでラインを運営できないから、何かしら働く意義を見つけてもらう、と。その過程の中で、自己目的化はあり得ると思いますが、そもそもの狙いがライン稼働率の維持ですから、それは面倒な事であっても、やった方が良いのではないか、と。これが本当に効率や品質の追求に結び付くとは上層部も考えていないと思います。上手く会社の中を操作して、日常業務化する仕事に変化を付けていく、と。